ブルックナー

仕事が終わってから、都響の第707回定期演奏会 Bシリーズ
サントリーホールへ。今日のお目当てはエリアフ・インバル指揮の
ブルックナー交響曲第6番であるため、都響のお得なチケットである
休憩後からは半額の「おそ割」でS席を確保。
一階6列目、チェロとコントラバスの間近な席であった。
1楽章冒頭のヴァイオリンがブルックナーリズムを刻む中、チェロ、コントラバス
が主旋律を奏でるあたりは実にいい感じ。その後金管がテーマを大音響で出る時に
低音部に近すぎるためにどうも全体のバランスが気になる。
今日のような曲はかえってB,C席のほうがいいのだろう・・・まっその辺は目をつぶろう。
インバルの第1楽章はテンポも軽快な割りに重厚な感じでうまくまとめている。
2楽章のロマンティックな旋律は、コンサートマスター矢部君の弾きぶりを見ていると
さらに情感豊かに聴ける。この2楽章、シューマンの4番のような響きと、ワグナーの
旋律を合わせたようで、結構お気に入りである。3楽章はもっと軽やかな方が好みなのだが
インバルはやや重い感じがした。さて、一番のお気に入り4楽章はというと、絃はテンポ早め
金管は遅めの、抑揚をつけた演奏だった。ビーフシチューで「お!肉がごろっと大降りで
シチューは上品な仕上がり」というようなイメージ。
いつも聞きなれているテンポとは違っても、コーダに向けて次第に高揚していく様は
実に感動的で、あっぱれな華々しさを感じる名演であった。
このブルックナーの6番をオケで聴いたのは2度目であった。初めて聴いたのは
オペラシティでケント・ナガノの北ドイツ放送交響楽団だったように思おうが、その時は
まだブルックナーの味わいがよくわかっていなかったので、演奏後の聴衆の興奮気味な
拍手に、驚いたのを記憶しているが、もう少し聞き込んでいれば今回のような感動を
得られたのだろうな・・・と考えながら帰宅。