読了 シェイクスピア『ヘンリー8世』ヘンリー八世 (白水Uブックス (37))作者: ウィリアム・シェイクスピア,小田島雄志出版社/メーカー: 白水社発売日: 1983/10/01メディア: 新書購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (4件) を見る

ヘンリー8世は枢機郷ウルジーに騙されながらの治世で民衆の反感も強く、貴族達も無実の罪に
陥れられるなど混沌としたものであった。そんな中、妃キャサリンの女官アン・ブリンに恋をし、
結婚を解消。また、ひょんなことからウルジーの悪巧みに気づき罷免し、アンとの結婚にこぎつけるが・・・
ヘンリー8世といえばホルバインの絵画で有名だが、この当時までローマカトリックがどうのこうの
ルター派がどうのこうのと、イギリスの宗教界もゆれ動いていた時期のようだ。
ヘンリー8世とアンの間に生まれるのがエリザベス1世
シェイクスピア全集の第1巻の『ヘンリー6世』から、イギリス王家の歴史をながめてきたが
シェイクスピアの書いた時期に最も近い王家のスキャンダルだけに、果たして王家の顰蹙を
買わなかったが心配になってしまった。
シェイクスピア全集はこれで終わりだが、じつは『エドワード2世』という戯曲もじつは
シャイクスピアの作品であったとうことで、もう一冊読まなければならないがこれはまた
年明けに本を探すことにする。

中村紘子

中村紘子ピアノリサイタル サントリーホール
席は2回のS6列と、全体の響きと奏者の指遣いの見える好位置であった。
曲はベートーヴェン ピアノソナタ17「テンペスト」、18番
ムソルグスキー展覧会の絵
中村紘子ベートーヴェンは力強さと女性らしい愛くるしさの対比がなかなか
面白い演奏であった。テンペストの1楽章の嵐のようなうねる様な冒頭の迫力にも
驚かされたが、2楽章の狂おしいメロディーにはさすがショパン弾きらしいロマンティシズム
を感じた。3楽章はやや早めだが歯切れのよさ。
18番はややマイナーな曲だが、1楽章の出だしで20世紀の作曲家の作曲しそうなメロディ
の後に、古典的な曲想になる辺りがなかなかいいのだが、中村の演奏にもそのあたりの面白さを
楽しんでいるかのような軽やかな切り口でよかった。2楽章の威風堂々としたメロディをさりげなく
奏でた後の3楽章。泣かせるメロディーなのだが、情感豊かに歌い上げる。そして、最終4楽章を
威厳を醸し出しながら緩急織り交ぜての演奏。
2曲ともロマンティックな旋律を女性らしい繊細さで演奏しているという印象の強いベートーヴェン
あったと思う。
休憩後の展覧会の絵は、はじめから苦手なのでどうもいまひとつピンと来ない演奏であった。
後半「キエフの大門」は圧巻であったが、ミスタッチかなと思うような箇所も気になってしまった。
好きな人にはたまらないのだろうが・・・
リサイタルならではの花束の数に会場も和み、アンコールも4曲となった。
ショパンノクターン 第3番 op.9-3 、ラフマニノフ 前奏曲 op.3-2 「モスクワの鐘」
ガーシュウィン 前奏曲 第1番 ショパン 練習曲 変ト長調 op.10-5 「黒鍵」
やはり、中村のショパンはさすが。意外だったのはガーシュインの演奏。中村紘子
ガーシュインのリズムを・・・実に楽しげに弾く姿に新たな面を発見!
なかなか楽しいリサイタルであった♪

ブルックナー

仕事が終わってから、都響の第707回定期演奏会 Bシリーズ
サントリーホールへ。今日のお目当てはエリアフ・インバル指揮の
ブルックナー交響曲第6番であるため、都響のお得なチケットである
休憩後からは半額の「おそ割」でS席を確保。
一階6列目、チェロとコントラバスの間近な席であった。
1楽章冒頭のヴァイオリンがブルックナーリズムを刻む中、チェロ、コントラバス
が主旋律を奏でるあたりは実にいい感じ。その後金管がテーマを大音響で出る時に
低音部に近すぎるためにどうも全体のバランスが気になる。
今日のような曲はかえってB,C席のほうがいいのだろう・・・まっその辺は目をつぶろう。
インバルの第1楽章はテンポも軽快な割りに重厚な感じでうまくまとめている。
2楽章のロマンティックな旋律は、コンサートマスター矢部君の弾きぶりを見ていると
さらに情感豊かに聴ける。この2楽章、シューマンの4番のような響きと、ワグナーの
旋律を合わせたようで、結構お気に入りである。3楽章はもっと軽やかな方が好みなのだが
インバルはやや重い感じがした。さて、一番のお気に入り4楽章はというと、絃はテンポ早め
金管は遅めの、抑揚をつけた演奏だった。ビーフシチューで「お!肉がごろっと大降りで
シチューは上品な仕上がり」というようなイメージ。
いつも聞きなれているテンポとは違っても、コーダに向けて次第に高揚していく様は
実に感動的で、あっぱれな華々しさを感じる名演であった。
このブルックナーの6番をオケで聴いたのは2度目であった。初めて聴いたのは
オペラシティでケント・ナガノの北ドイツ放送交響楽団だったように思おうが、その時は
まだブルックナーの味わいがよくわかっていなかったので、演奏後の聴衆の興奮気味な
拍手に、驚いたのを記憶しているが、もう少し聞き込んでいれば今回のような感動を
得られたのだろうな・・・と考えながら帰宅。

読了 天野節子 『目線』目線 (幻冬舎文庫 あ 31-2)作者: 天野節子出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2010/10/01メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (5件) を見る

本屋で平積みになっていて、帯に12月ドラマスタートとあったので
購入した本である。
田園調布の屋敷での殺人事件を描く。冒頭、謎めいた記憶が記され
これからの展開に不穏な雰囲気を醸し出す。
ところどころに「ん?どういう意味かな?」と思わせる文章を織り交ぜ
まるでサブミナル効果のように、謎を読み手に刷り込みながら物語を
展開。最後の最後に謎解きがあり全貌が明らかになる。
展開は面白いのだが、果たしてドラマにするとどのように描いていくのだろうか?
ドラマもぜひ見てみたい・・・

天ぷら

千葉の用事を済ませた後、船橋の西武に天一が入っているという
ので、先日新聞のクロスワードパズルで大当たりした1万円のデパート
商品券で食す。

「お刺身と季節のてんぷら」で、中トロやカキ、舞茸を堪能する。
さらに、帰りに本屋へ立ち寄ると、隣のケンタッキーにこんな
看板があった。
ブラックユーモア?酉年の私はおどろいた!