プログラム3

ポワトゥー・シャラント管弦楽団 指揮;飯守泰次郎
クロエ・ハンスリップ(Vn)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 二長調
この楽団のプロフィールを見ると、臨時編成のオケらしい。しかし、今日の演奏を聴いてかなりの実力であることがわかった。特に弦がすばらしい。一糸乱れずひたむきに演奏する真摯な姿が印象に残った。あくまでも独奏者の演奏をより美しく聴かせることに徹していたのがすばらしい。独奏のハンスリップは若干17歳とのこと。テクニックは申し分ない。ただ若さゆえにやや自分の演奏を強く出しすぎて、オーケストラを置き去りにしてしまう場面が何回かあった。また、若干気になったが1楽章の後半では高音がわずかにずれていて気になった。きっと2楽章までの合間にチューニングするだろうなと思っていたが、そうしなかったのは、演奏中にやや音がずれたのか・・・2楽章からは持ち直し、3楽章の生き生きとした演奏はさすがだと感心した。しかし、今日の演奏の一番の功労者はオーケストラだろう。実直なまでも演奏者の引き立て役に徹したことが、何よりだったと思う。プログラム2ではわかりにくい指揮ぶりと感じた飯守の指揮も、ここではそんな感じを受けなかった。そこは不思議・・・何度もカーテンコールに応えたハンスリップ嬢は異例のアンコールも披露した。自ら片言の日本語でアンコール曲を紹介したので聞き取れなかったが、どうやらカプリースだったらしい。パガニーニカプリース1番だったと思う・・・超絶技巧の曲だった・・・絶対まねできない。この娘は今後大きな逸材になるだろう。