ヒラリー・ハーン♪リサイタル

待ちに待ったヒラリー・ハーンのリサイタル。
ヒラリー・ハーンを始めて耳にしたのは、銀座の山野楽器の視聴コーナーだった。メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲の出だしを聴いただけで、「ただものではない!」と直感。それから、バッハのコンチェルト、無伴奏ベートーヴェンブラームスエルガーとたて続けにCDを買いあさり、聴きまくった。そして、今日、実際にハーンの演奏を耳にした。
ステージの演奏を見て、これがハーンの音なんだと実感したのは、ヴァイオリンの弾き方である。どこから押しても姿勢を崩すことはないであろうと思われる安定した弾き方であるように見えた。そんじょそこらのふらふら、ちゃらちゃら弾いているのとは違うのだ。
体のバランスが安定しているからこそ、重厚な音の響きと速いパッセージでの正確な指使いを可能にしているのではないかと思った。ハーンの秘密はそこだったのだと勝手に解釈してみたが、まんざらはずれではないと思う・・・また、ハーンの演奏を見ながら、小さい頃から本当にまじめに練習をしてきた努力家であることを強く感じた。本当にまじめに、真摯な演奏スタイルなのである。CDのジャケットに映るハーンはまさに現代的なアメリカ娘に見えるのだが、挨拶の仕方から入退場の歩き方どれをみても、しっかりしたお嬢さん、まじめな性格の娘さんという印象を受けるのである。その印象からか演奏中のハーンを見ながら、まじめに一生懸命練習を重ねてきた姿が想像できたのだ。
初めて聴いたメンデルゾーンで、「すごい」と思ったのは、天才としてのハーンではなく、努力の集大成として結実したその演奏であったのかも知れない。ま、そこまで到達できること自体がすばらしい才能であることは間違いないのだが・・・