高橋由一「鮭」

今日は、同僚のI画伯と美術散策をする。今、芸大の美術館では高橋由一「鮭」、原田直次郎「靴屋の親爺」、 浅井忠「収穫」、狩野芳崖「悲母観音」という芸大のコレクションが公開されている。実は高橋由一の「鮭」はかねてより見たいと思っていたにもかかわらず、見ることが出来ていなかった。この美術館の改築後の芸大コレクション展ではあまりの混みように諦めたり、何度か足を運んではふられていた作品。一時、由一の作品について調べたこともあって妙に親しみのある作品なのである。せめてもとミュージアムショップで売られいる「鮭」をかたどったキーホルダーはいつも持ち歩いているほどである。先だってNHKの新日曜美術館で「鮭」が詳しく語られていて、その時にこの作品の大きさに驚いたのだが、実際に眼にしてもかなり大きく感じた。画材は紙に油彩である。自画像はペンによるデッサンが横に展示されていたが、有名なのはちょんまげ姿の由一であろう。イギリスの挿絵画家ワーグマンに絵画を習うために、横浜まで通ったというエピソードに昔感動したのだが、どれだけ明治の初めに苦労しつつ洋画の先駆的役割を果たしのかと思うと感慨もひとしおであった。