プログラム

指揮:チョン・ミョンフン ヴァイオリン:樫本大進
ショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲第1番
ドヴォルザーク交響曲第8番
*樫本の技量に圧倒されたショスターコヴィッチ
今日は、出かけるちょっと前にヒラりー・ハーンのショスターコヴィッチのコンチェルトを聴く。その印象と樫本の演奏を聴き比べたかったこともある。特にソリストの腕の見せ所カデンツァ。ショスターコヴィッチの1番はカデンツァが3楽章の後に独立しているようなつくりである。1楽章の暗澹とした深い出だしからのヴァイオリンとの掛け合い、深みのある音色はなかなかである。そして圧巻はカデンツァの鬼気迫る迫力ある熱演。本人は気づいているのか、所どころ足を踏み鳴らし、はっきりと靴の音が聞こえる。とてつもない早いパッセージを弾きこなす技量と、体全体を使った演奏でエネルギッシュであった。そして躍動感溢れる4楽章。何かに憑かれているかのような演奏は、またまさに圧巻。これを書きながらハーンの演奏を聴いているが、ハーンの針の穴を通すような鋭い音程、弓使いとは違って、ぐいぐいと押してくるようなエネルギーある演奏であったように思う。
会場にはブラヴォーの声がとても多かった。何度もカーテンコールをしたがアンコールが無かったのは残念。