ラ・フォル・ジュルネ♪

待ちに待ったラ・フォル・ジュルネ
去年は第一回目とあって、知らない人も多くチケットは取りやすかったが、
今年は2年目で知名度もあり、ましてやモーツアルトなのでやっと取れたチケットである。
4日間2講演ずつ購入したが、3日は甥っ子の初節句で別の甥っ子にあげてしまった。
今日は2日目。東京フォーラムの人ごみを見て昨年のベートヴェンの雰囲気を思い出す。
■公演244
長栄交響楽団 指揮:王雅螵
フィガロの結婚」序曲
交響曲第36番「リンツ
交響曲第37番(1楽章)
いや、おどろいた!この交響楽団は女性ばかり。第1ヴァイオリンに3、第2ヴァイオリンに2、ティンパニー1・・・あとは木管だったか?男はこれだけで、ヴィオラ、チェロ、コンバスは全員女性なのだ。それに加えて指揮者も女性。じつにきびきびした指揮であった。フィガロの結婚はかなり速いテンポで切れの良い演奏であったが、やや弦の意気が今ひとつ合わないような印象を受けた。
リンツは、プラハとともに大好きな交響曲なので期待して聴く。この曲も速いパッセージでは弦がもたつくような感じがあったが、第2楽章の落ち着いた演奏は聴き応え十分で、第4楽章も高音部、低音部の掛け合いがじつに良かった。
37番は、元はハイドンの弟の作品に序奏だけをモーツアルトが付け加えたという曰くつきの曲。演奏で聴くのは初めてであった。重々しい序奏であったが、その後はM・ハイドンらしい軽い曲想でなかなかの好印象の曲であった。なかなかユニークな演奏曲で面白かった。
■公演245
ブルターニュ管弦楽団 指揮;下野竜也 ピアノ:児玉桃
ピアノ協奏曲代23番
交響曲第34番
下野の指揮は大好きである。実に力強く小気味良い演奏はいつも感心している。今日の演奏も期待をしていた。23番はイングリット・ヘブラーの演奏がこびりついているが、今日の児玉のピアノは新たな23番の印象を与えてくれたと言っていい。児玉のみずみずしい流麗なピアノは、じつにこの曲をぴかぴかに磨き上げてくれた。下野の小気味の良い指揮に児玉はぴったり意気が合っていた。圧巻は3楽章。この主題は適度な速さがあると輝かしさがまるで違って聴こえる不思議な主題だ。児玉はヘブラーよりもやや速めで、その部分だけですっかり魅了されてしまった。そのテンポでいくと後半かなり指遣いがきつくなる箇所があるのだが、そんなことはものともせず魔法がかかったように滑らかに軽く弾きこなす。児玉桃恐るべし・・・じつにすばらしい演奏であった。ブラヴォー!
交響曲34番について、自分はモーツアルトの作品の中でも不出来なものと思っている。(他に2台のピアノ協奏曲、3台のピアノ協奏曲がある・・・)何人かの指揮者で聞いて来たがどれもつまらない。曲自体が陳腐で全くつまらないので仕方ないかと思っていた。ところがどっこい、さすが下野の手によると生き生きと蘇っているように聴こえる。さすが下野だ。料理で言えば親子丼は大嫌いでも、一流の料理人の親子丼はうまいってなことがあるように、まずい34番を下野料理人はじつに上手く調理していた。でも、そこは嫌いな曲だから、いい曲だったとは思えなかった。いい演奏だった・・という印象。
でも、嫌いな曲でもいい演奏で感じ方が大きく違ってくることが実感できたので、いい経験だった。いつか好きになる日もくるのか?