三浦しをん

読了
三浦しをん『風が強く吹いている』

風が強く吹いている

風が強く吹いている

久しぶりに、さわやかな物語を読んだ。箱根駅伝に向けてひたむきに頑張る青春像が
描かれている。ど素人を部員に仕立て、出場人数ぎりぎりで、しかもわずか一年で箱根駅伝
に賭ける若者たち。話自体に無理があろうとなかろうと、そこに描かれている若者たちの
走る姿には、爽快な風が吹き込んでいる。
軽快な筆致で、読み手を引きつける文体は、まさに登場人物たちと共に走っているような
錯覚さえ覚える。
それぞれの個性あふれる若者が、何もかも忘れ魂をこめて走るまでに至るまでに、現代の若者
に必要な大切なものが隠されているように思った。
ひたむきに目標に向かう姿・・・そのすばらしさを思い出させてくれた。