貫井徳郎作品としては、かなり軽めのタッチである。詐欺師達がひょんなことから
知り合い、新手の作戦で大鐘を狙うが、ことは思わぬ方向に・・・
詐欺と誘拐のコラボレーションが、テンポよく展開するが、あらゆる箇所に貫井独特の
知性的かつ論理的な筋書きが見え隠れし、全く先の読めないまま意外な結末を迎える。
参考文献に詐欺の手口に関する本が挙げられていたが、なるほど詐欺師の巧妙な手口も
興味深く知ることが出来る作品。
裏社会について関心のある方にはお勧めだが、自分としては軽いタッチの貫井氏には
やや消化不良・・・貫井氏の持ち味がわかっているだけに。