山種美術館

国立近代をあとにして、千鳥が淵を横切り英国大使館前にある山種美術館へ行く。
この美術館、実はものすごい作品を有していた。どれもこれもお気に入りの殿堂入りになった。
●横山操「越路十景」
荒涼とした雪国の景色が、見事な色で表現されている作品があった。それは雪国の白と黒であった。
特に気に入ったのは「佐渡秋月」
東山魁夷「年暮る」
おお!ここにあったのかぁと感激した。雪国の静かな夜、雪明りに照らし出されている屋根、屋根、屋根
そこにある静寂。その雪明りの表現は魁夷の真骨頂。福田平八郎の「雨」が思い出される。この絵に説明は
いらない。
●山口華楊「木精」
さっき見たばかりの作者の作品に驚く。ここには鹿ではなく、ミミズクが一羽いた。大きな木の根元に
たたずむミミズク。

この美術館には、他にも小川古径 伊藤深水、鏑木清隆、上村松園、下村観山、小倉遊亀加山又造
奥村土牛、福田平八郎が楽しめた。後期には福田の「鳴門」が出るそうだが、この作品を是非見たいので
また行こうと思う。
なお、この美術館の文字は安田鞍彦ということである。

山種美術館から二松学舎の前を通って九段下まで向かうと、皇居近くで赤いビルが迷惑だと騒がれた
イタリア文化会館を発見!
 
今日は「人間の奥行き」ヴァンジ作品展 2000-2006 の最終日ということで
覗いてみることにしたが、入口前に招待券が置かれていて結局タダで見ることが出来た。
ヴァンジという画家は初めて知ったが、彫塑はなかなか面白かった。大理石と語って、一番の仕上がりに
仕立てているような作品で、中には大理石を切り出したままの形を生かした作品もありじつに味があった。

いやぁ、きょうはたっぷり絵を愉しんだと、画伯ともに日本橋で一杯やって帰る。
なんとも幸せな一日となった。