「岸辺のアルバム」など、日常に潜む人間の情念を描く作品の多い山田太一氏の
教育に関するエッセー。特に親子関係については、大上段に構えての観念論ではなく
氏の生い立ちや、自らの子育ての中で感じたままが書かれていて、読んでいてもすーっと
心に迫ってくる。子どもであろうと大人であろうと、人の暗闇の部分にはふれてはならない
とか、『人のしたことに、批評的であるという姿勢をとっていると、自分が何かするときに
すくんでしまう』なんて言葉が心に残った・・・
しかし、山田太一氏のような自然体で者を語る人はすごいと思う。