美しき水車小屋の娘♪

最近どうも疲れがとれない・・・家に帰ってくるとぐったり。
ふと、思い立ちシューベルトの「美しき水車小屋の娘」を聴く。
さすらいの旅に出た粉引き職人の若者が、美しい水車屋の娘と出会い恋をする。
しかし娘は狩人に心を奪われてしまい、若者は心を痛め、最後にみずから小川に
身を投げるという恋物語。ドイツ・ロマン派の詩人ウィルヘルム・ミュラーの詩をもとに
20曲を作曲。
テノールのヤン・コボウの透き通る歌声で聴くとなんとも心地よい。

10曲目の「涙の雨」(Tränenregen)がお気に入りだが、じつに
美しい歌声に癒される。
歌詞がまたいい・・・・

「二人座っていた緑の木陰
二人見つめていたせせらぎ行く川
月が空登り星がきらめき
二人で見つめていた銀色の水面」

十三夜の月が上り、川面を照らす・・・そんな風景か。

シューベルトは友人の家でふと目にしたミュラーの詩集を手にし、持って帰った
翌日にはもう3曲も作曲していたという。彼自身も通っていた教会で粉屋の娘に
恋をしていたため、この詩に描かれている若者の姿に共感して作曲をしたとも
いわれている。
シューベルトの歌曲のきらきらした感じがいっぱいで完成度も高い。
ちなみに作曲はシューベルト26歳・・・青春の歌である。
この前年にはシューベルトで一番好きな「アルペッジョーネ・ソナタ イ短調 D. 821」
が作曲されている。2楽章の感性と「涙の雨」には共通点があるように思う。
この曲を聴き、少し疲れが抜けてきたかも・・・