都響♪

今日は久しぶりのサントリーホールであった。新装でまわりの壁もひときわ
きれいになっていた。さて、今日の都響のプログラムは・・・
プロムナードコンサート No.324
指揮:梅田俊明
ソプラノ:中村智子
ワーグナー:歌劇『タンホイザー』序曲
マーラー:歌曲集『子供の魔法の角笛』より<この世の生活、原光、ラインの伝説、美しいトランペットが鳴り響く所>
シューベルト交響曲第8番ハ長調D.944『ザ・グレート』
本日の指揮は仙台フィルで長くタクトを振っていたという新進気鋭の若手指揮者である。自分にとっても初めて聴くので
楽しみにしていた。一曲目のタンホイザーでは、出足から上機嫌のアンサンブルできらびやかにスタートするが
時々アクセントを強くつけ、どうもそれが気になった。しかし、全体的には豪快に盛り上げて締めくくるが
都響との息は今ひとつ合わない感じがした。最後の音もわずかに速めで唐突に終わってしまったように思えた。
2曲目のマーラーの歌曲。この曲にはなじみがあまり無かったので、昨日の晩に事前にチェックしていたが、中村智子
女史のドイツ語はとてつもなく本場仕込み(ドイツ語は良くわからないが、巻き舌のうまさには舌を巻いた)で、なおかつ
昨日聴いていた歌手よりも、感情が込められた歌いっぷりで感動した。バックの都響の弦も歌い手を引き出していた。
しかし、中村智子女史は愛想を振りまくことが無く実に威厳のある方であった。一度思い切り笑わせてみたいなと思った。
休憩を挟んでのシューベルトだが、このグレートについては4楽章の繰り返しがあるなしで気になり以前にも調べたことを
書いてみたが、今日の演奏では繰り返しなしであった。1楽章のホルンと弦のユニゾンから大好きな1楽章のテーマが奏でられ
弦で繰り返しながら盛り上がる。やはりこの楽章でも指揮者のアクセントを強調する箇所に「ん?」と思わされながらも
力強き演奏で満足。2楽章、3楽章を聴いていてふと思ったが、1曲目のワーグナーと比べてシューベルトのオーケストレー
ションは単線的だなと感じた。それぞれのメロディがきれいなのだが、そこに伏線的なメロディーがあまりかぶってこない。
ワーグナータンホイザーでは主旋律を取り巻く旋律がまるで細かく複雑な織物の様相であるが、シューベルトは縦糸、横糸
それぞれが変奏され変化していく・・・そんな感じがした。専門的には良くわからないが、その意味であらためてワーグナー
の音楽は不思議だなぁと思う・・・さて、最終楽章。3楽章から切れ目無く演奏されるかなと思いきや、しっかり間を空けて
演奏開始。テンポは実に小気味良く、この難しそうなフレーズを弦が鮮やかに弾きこなす・・今日はオペラグラスを持参したので
チェロの左手ばかりを見ていた・・そして壮大な盛り上がりをもって終了。おっと最後の音はあっけなさすぎませんか?
うーん。最後の最後にパタッと終わってしまった感じがして驚きました。全体的には75点くらいなのかなぁ?それでも
久しぶりの都響の演奏だったのに免じて心持ち豊かになって拍手をしました。アンコールはピチカートポルカ
この曲は大好きなのですが、どうも最初のヴァイオリンの出だしがちょいずれる・・・指揮者さんの合図がどうも都響のメンバーには
うまく伝わっていないのか?どうも複雑な思いがしました。
というわけで、やや心残りがあるもののいい気持ちになって帰途へ。
帰りに日本橋高島屋によって崎陽軒のシウマイをお土産に。