今日の一枚


メンデルスゾーン ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 Op. 49
Julia Fischer (vn)
Daniel Muller-Schott (vc)
Jonathan Gilad (pf)
なんて素敵な演奏だろう♪若く、力強いメンデルスゾーンがそこにあった。
昔々、東大の駒場祭で学生3人が演奏していたのを聴いて好きになったこの曲。
メンデルスゾーンの充実した時期の作品であり、シューマンが「ベートーベン以降の
最も偉大なピアノトリオ」と称賛したと伝えられる作品だけあって、1楽章の物悲しく
印象的なメロディーを受けての2楽章は実にロマンティックで惚れ惚れしてしまう。
ピアノ、ヴァイオリン、チェロというたった3つの楽器でも、これだけの奥行きの
ある作品に仕上げるのだから天晴れである。
このアルバムの演奏者については何一つ情報を持っていないのだが、それぞれの持つ
表現力はどれも拮抗しているし、息もぴったりで落ち着いて聴ける。
特に3楽章の弾むようなスケルツォは、3人の演奏がまるで最後のピースをはめた
ジグソーパズルのように正確無比な名演奏だと思う。
4楽章を聴きながら「ああ、終わらないで欲しい」と思えたのも久しぶりだ。
4楽章のコーダはお気に入りのコーダで、自分としては弦楽八重奏1楽章のコーダとともに
メンデルスゾーンの終わり方ベスト3に入る。もうひとつはヴァイオリン協奏曲の
終楽章・・・何度も繰り返し聞いてしまいます。