読了 樋口 有介 『木野塚探偵事務所だ』木野塚探偵事務所だ (講談社文庫)作者: 樋口有介出版社/メーカー: 講談社発売日: 1998/09メディア: 文庫この商品を含むブログ (5件) を見る

樋口氏は『ぼくと、ぼくらの夏』 1988年7月 文藝春秋がデビュー作で、
サントリーミステリー大賞読者賞受賞している。
内容は実に平易なものかつ、読みやすいが、随所に文筆家らしい言葉も使い知的センスを
感じる。直木賞の候補になっただけはあろう。
さて、警察を退職後に念願の私立探偵事務所を開く木野塚氏の悪戦苦闘を描くものであるが
事件解決にはひょんなことから助手になった女の子である。
依頼される事件といえば、金魚の失踪、菊の花の切断事件、猫の失踪などである。
前編にわたり高齢者が登場し、その生き様からなんともいえない切ない世界も垣間見ることとなる。
ヒルな私立探偵になりたい木野塚氏・・・戦後の日本を築いてきた日本人を感じた。