読了95 島本理生『シルエット』シルエット (講談社文庫)作者: 島本理生出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/11/16メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 16回この商品を含むブログ (104件) を見る

『リトル・バイ・リトル』で自然体の文章に魅力を感じたので
第44回群像新人文学賞優秀作を受賞した表題作の短編集を読む。
16歳の高校生が周りに影響されながら生きている話なのだが
その生活ぶりにはちょっと賛同しかねたのでどうしても主人公が
自分に訴えてこないような気がした。
さらっと書く作者ということもあったのだろうが、周囲の人々
の方にかえって関心をもってしまった。
父親に刺され半ば心も体も死にかけている母親を持つ冠(かん)
という名の同級生にである。主人公は冠との交際、別離を経験
しながら常に冠の存在がこころのどこかにある。いつまでも
不思議に惹きつける冠について、さらに突っ込んで知りたくなった。
主人公よりもである・・・・結果として、どうも読んでいて
関心が違うところに向いてしまい消化不良で終わってしまった。
そこは残念だった。
しかし、今時の高校生・・・どうもわからない