読了105 逢坂剛 『禿鷹の夜』禿鷹の夜作者: 逢坂剛出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2000/05メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (1件) を見る

禿富鷹秋(とくとみたかあき)警部補、通称「はげたか」なる悪徳警部補
が登場するハードボイルド小説だが、こんな悪徳警官がいていいのかと
最後まで息を呑む展開であった。
渋谷を縄張りにする「渋六」というヤクザに真正面からちょっかいを出す
主人公。実はこの縄張りをひそかに狙う南米マフィアに気をつけろ、おまえ
たちを影から守ってやるという、公務員とは思えない言動の現役の生活安全課
警部補であった。その実力を利用しようとするヤクザであったが、対立する
南米マフィアの様子を伺っているうちにハゲタカの恋人が殺される現場に
居合わせる。恋人を失ったハゲタカは復讐の鬼と化すが・・・・という話。
読みながら、これはヤクザや南米マフィアを欺く罠だ、きっと裏をかいている
のだと読み進める。恋人が殺されても、きっと生きていている、だまされるものかと
読み進める。さてさて・・・・
結末の真相には確かに驚いたが、この主人公の設定も最後まで
とことん驚かされた。このミステリーがすごいの3位にもなった
とのことだが、確かに面白く眠い目をこすりこすり読んでしまった。
おかげで、ここ2・3日朝がきつかった。
そこくらい自分にとって面白い小説であった。
ヤクザも南米マフィアも「はげたか」にはかないっこない。この主人公
の想定外の人物像は圧巻だ。