シューマン交響曲&マーラー

シューマンペンネームを使って批評家をしたらしいが、自身の作品の
オーケストレーションにも問題があることを自覚していたという。
シューマン交響曲全集をマーラーが編曲しているというので聴いてみたが
なるほど、いつものシューマンとは違って輪郭がはっきりして面白い。
一番好きな3番を聴き比べながらオーケストレーションによってこうも曲が
違ってくるのかということ強く思った。
さすがブルックナーのように1小節飛ばしているなんてことは、初演をシューマン
自身がやっているので無いだろうが、指揮者としてのマーラーから見れば
かなり手直しをしたかったのだろう。1100あまりの小節のうち400ほどまで
直しているというからかなりの手直しである。
特に目立つのは金管がメロディラインの後ろを何気に素通りする箇所の多いこと
である。中でも1楽章、5楽章では多いように思う。
今まで聴いてきた演奏の中にも、指揮者によってはマーラーの編曲を部分的に
使っていたようだが、本当の原曲はたぶんマリナー辺りの演奏なのかもと
聞き比べの対象とした。
興味のある方はどうぞ・・・
原曲かな
http://ml.naxos.jp/work/90500
マーラー編曲
http://ml.naxos.jp/work/79374
一番好きな5楽章の冒頭主題、原曲は繰り返し2回ともトゥッティ(総奏)だが、マーラー
は1回目を弦のみ、2回目に木管を加えているのがわかる。