読了 梶原一明『本田宗一郎の哲学』本田宗一郎の哲学―人生は「得手に帆あげて」生きよ作者: 梶原一明出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2002/03メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (4件) を見る

いや〜、時間だとか空間だとかを頭の中であれこれ考えているのも楽しいが
この人のような経験に基づいた「経験論」の方が心に迫ってくる。
「猿も木から落ちる」という格言について、本田は寛容の心を持ち合わせないという。
許される失敗は進歩向上をめざすモーションが生んだものだけに限りと考えているから
だそうだ。しかし、本田の持ち味はこれ以降にある。猿が新しい木登り技術を学ぶために
ある「試み」をして落ちるなら、これは尊い経験として大いに奨励したいというのである。
なるほどなぁと感心して読んだが、豪快な生き方を知るにつれ、この人の下ではかなわんなぁ
とも思った。
「理論や知識は必要であるけれども、持っているだけで、それを使いこなせないようなら
まったく価値がないということだ。役立ていることによってはじめてそれは価値を持つ。
社会に出ればカンニングは自由なんだ。知らないことを人に教えてもらう。謙虚に聞く
。そういう姿勢のほうが大事だと思う。」今度どこかでこのフレーズ使わせ貰おう・・・
江黒友美