モーツアルト ピアノソナタ4

◆ピアノ・ソナタ第13番 変ロ長調 K. 333
ピアノ:ルドヴィグ・セメルジアン

ヨハン・クリスチャン・バッハの鍵盤のためのソナタ17-4との作品冒頭の主題を
使っているこの曲は、ロンドンで客死したバッハのためを偲んで作曲されたという。
1楽章には悲しげなフレーズが時折流れ、バッハのテーマを繰り返す。
http://ml.naxos.jp/work/127605
http://ml.naxos.jp/work/123497
2楽章はゆったりとていて宗教曲を思い起こさせる。3楽章はまるで童心にもどった
かのような主題で、曲の雰囲気を一変させる。クリスチャン・バッハと出会ったのは
モーツアルト8歳の頃。そんなことを思い描いてのテーマのように聞こえてならない。
◆ピアノ・ソナタ第14番 ハ短調 K. 457
ピアノ:アンネローゼ・シュミット


ハ短調幻想曲(K.475)と共に、出版されていることから一緒に演奏される機会が多いという曲である。
後にベートヴェンに影響を与えたというハ短調。1楽章にはベートーヴェンモーツアルトも聞こえてくるようだ。
◆ピアノ・ソナタ第15番 ヘ長調 K. 533 + K. 494
ピアノ:アンドレアス・ヘフリガー

旧全集では第18番、ベーレンライター版の新モーツァルト全集では第15番だが、
1楽章の出だしがなかなか印象的。
1788年に「クラヴィーア独奏のためのアレグロとアンダンテ」として1,2楽章を
作曲。それに第3楽章として2年前の1786年6月に作られたアレグロK.494を加えて
1つのピアノ・ソナタとした作品。
この曲のすぐ跡にピアノ協奏曲26番を作曲し、数ヵ月後には39番の交響曲
作曲しているのだからモーツアルトの充実期の作品である。
2楽章はやや暗いが、3楽章のかわいらしい旋律がかえって引き立つ。