読了 シェイクスピア『ヘンリー5世』ヘンリー五世 (白水Uブックス (19))作者: ウィリアム・シェイクスピア,小田島雄志出版社/メーカー: 白水社発売日: 1983/10/01メディア: 新書購入: 2人 クリック: 11回この商品を含むブログ (2件) を見る

この作品にも騎士フォールスタッフの名前が登場している。劇中、名前だけで配役はない。
取り巻きたちが「フォールスタッフが病気で寝込んでいる」「ああ、とうとう死んじまった」
と、台詞だけに名前が登場するからだ。取り巻きたちはヘンリー5世のフランス遠征で
思いのほか活躍。そういえば、『ヘンリー4世』では、ヘンリー5世はまだ王子で、散々
フォールスタッフと悪さをしでかしていたことを思い出す。
ということで、ヘンリー4世とヘンリー5世の時代に「ウィンザーの陽気な女房たち」の
どたばたがあったという設定なのか・・・ふむふむ 連作と言っても良いくらい、登場人物も
重複している。
しかし、本劇は、『ヘンリー4世』『ウィンザー・・』と違い、より歴史劇にシフトして描かれ
勇猛な王としてヘンリー5世が描かれている。ただ、フランスへの遠征、戦いが単線で書かれて
いるので、やや退屈なお話となっているのは残念。冒頭、劇中に解説の口上が入るあたりに
劇として観客へわかりやすい見せ方が工夫されているのは、今までになかった手法。
いよいよシェイクスピアも円熟期に入ってきたかなという思いももった。