読了3 東野圭吾『嘘をもうひとつだけ』嘘をもうひとつだけ (講談社文庫)作者: 東野圭吾出版社/メーカー: 講談社発売日: 2003/02/14メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 39回この商品を含むブログ (123件) を見る

月間小説誌に掲載された刑事ものの連作集である。
 ≪嘘をもうひとつだけ≫ 「イン・ポケット」1999年05月号
 ≪冷たい灼熱≫ 「小説現代」1996年10月号
 ≪第二の希望≫ 「小説現代」1997年06月号
 ≪狂った計算≫ 「小説現代」1997年10月号
 ≪友の助言≫  「小説現代」1999年07月号
全編に登場するのは加賀刑事であるが、些細なところから事件の真相に迫っていくのが小気味良い。
登場する犯人はどこにでもいそうな市井の人々。一見うまく騙せたかに見える犯行を
加賀刑事の巧みな聞き込みで、ぼろを出していく犯人。
まるで刑事コロンボ並みに犯人を追い込んでいく言葉のやり取りが実に面白い。
また、ストーリーが事件の当事者の視点で描かれていくのも、緊迫感を持たせている手法となって
いて、紙数の限られた中でじつにうまく構成された珠玉の作品集である。
いやぁさすが東野氏の作品だけあるなと感心しきって読み終わる。