魔王

人に自分の思い通りに言葉を発せられたら・・・電車に乗っていて
向こう側に座る人に、「足を組み替えろ」「指先をいじれ」なんて
念じてみても一向に変化なしの自分にしてみれば、大変興味のあるテーマだ。
主人公はある日自分の不思議な能力に気づき、様々なことで能力を発揮するが
同時進行で改憲論や反米を主張する政治家の台頭もあり、主人公はムードに
流される国を憂い、自分の能力を発揮しようとするが・・・
今まで読んだ作品、特殊能力を持つ4人組の強盗団が活躍する『陽気なギャングが地球を回す
とか、引越し先の不思議な人物に強盗を持ちかけられる『アヒルと鴨のコインロッカー
などの伊坂作品とくらべて、政治的な部分の主張が強く感じられた。読みながら
これは小泉体制とオーバーラップさせているのかと思いきや、それ以前に
書かれた作品と知って驚く・・・ふーん